『【毎日ネット検索】見つけ出す!誰でも出来る格安貸家の探し方!』にて検索ヒットした物件。昭和物件がほとんどなので部屋は和室ばかりです。しかも古い!このままじゃ貸せない。何かいい方法はないかなぁ。
「いやいや、そんなん工務店に和室を洋室に変えてって頼めばいいやん!」と思ったそこのあなた。
確かに、本当は洋室化してしまいたいのですが、天井・壁・床、それに扉や押入れまで完全に洋室にリフォームするとなると、6畳の和室ですら100万円近い見積になってきます。DIYで洋室化をやってしまうプロ大家さんもいますが、相当な技術が必要になります。僕はそんな技術を持っていないので、素人でも出来る『新しい和室』に再生します。
当ページは、築古戸建てに多い和室を、出来るだけ予算をかけずに『新しい和室』にDIYする方法についてご紹介していきます。あくまで個人大家のオリジナル手法であり、これが正解なやり方というワケではありませんので、一人の個人大家の実践例を「こんな方法してる奴もいるんだ」という気持ちで、娯楽の一部として楽しんで読んで頂けたら幸いです。
では早速、ビフォーアフターを見てもらいましょう。




購入した時の状態が『DIY前』になり、賃貸に出す前が『DIY後』になります。どうでしょう。令和の和室とまではいきませんが、『平成の和室』ぐらいには仕上げることが出来ているんではないでしょうか。
この方法で築古和室を『平成の和室』にDIYした時の予算ですが、
6畳=10万円以内です。
洋室化を依頼するよりも10分の1程度の予算で済みます。一戸建ての場合、部屋の数や広さにもよりますが、和室全ての部屋を施工しても20万円程度で収まっています。
では、和室を再生させるためのDIYの内容を紹介していきます。
古い和室を新しい和室にするためのDIY 4選
- 砂壁を塗装
- ふすまを塗装
- 障子からカーテンに変更
- 和風の吊り下げ照明からシーリングライトに変更
行うのはこれだけです。当ページでは施工後の画像や必要備品、予算をメインで紹介していきます。各DIYの詳細は、内容別に個別ページでご紹介していきます。
ではそれぞれのDIYの内容を紹介していきます。
砂壁を塗装する
昔の和室壁は茶色や深緑など暗めな色合いが多いです。それを明るい色にするだけでかなり雰囲気が変わります。聚楽(じゅらく)で塗り替えるのが本来のやり方ですが、技術と予算が必要なので、僕はペンキで塗装します。
準備するもの
- 刷毛(ハケ)
- ローラーハケ
- 容器
- マスキングテープ
- テープ付き養生シート
- 脚立
- 砂壁おさえ剤
- ペンキ塗料
- ビニール手袋
- 雑巾
では、施工手順を解説していきます。
DIYの手順
砂壁に砂壁おさえ剤を塗る
砂壁は古くなるとボロボロと崩れてしまうため、そのままペンキを塗ることは出来ません。そこで下地となる砂壁を砂壁おさえ剤を使って固めます。
砂壁おさえ剤は液体なので、ペンキ塗装と同じ要領で塗ることが出来ます。では塗装していく下準備をしていきます。
まずは柱などに塗料が付着しない様に、マスキングテープを砂壁に接している木部に貼っていきます。いきなりですが今回のDIY一番の難関がおそらくコレです。何面も有る砂壁に接している木部全てが対象で、かなりマスキングテープを貼っていかないといけないので、難易度というよりも根気が必要です。
次に畳の上にペンキが垂れない様に、テープ付き養生シートを敷いていきます。
養生が出来たら、実際に砂壁に砂壁おさえ剤を塗っていきます。端と角は刷毛で塗り、面はローラーハケを使うと、より早くキレイに塗ることが出来ます。
砂壁おさえ剤は薄い白色の液体ですが乾燥すると透明になるので、塗装初心者にも扱いやすくなっています。塗装後は1日ほど乾燥させると砂壁を触ってもボロボロ落ちなくなり、ペンキで塗装出来るようになります。
砂壁にペンキを塗る
それではペンキで砂壁を塗装していきます。塗料は水性カベ用で無臭のつや消しを選んで下さい。色は白を基調とする場合、真っ白では汚れが目立つのでオフホワイトがオススメです。
一度塗りでは色が綺麗にのらないので、乾燥後に二度塗りします。二度塗り後は、塗装が渇く前にマスキングテープを剥がしていきます。二度塗りの塗装面が完全に乾燥したら、築古和室の壁のDIYは完成です。


予算の目安 (6畳)
- 砂壁おさえ剤2ℓ×1個=約2,500円
- ペンキ塗料1.6ℓ×3個=2,500×3=約7,500円
作業時間の目安 (6畳)
- マスキング・養生作業:約2時間
- 砂壁おさえ剤塗装:約4時間
- ペンキ塗装:一度塗り約4時間+二度塗り約4時間 計約8時間
塗装が乾燥時間する時間を考慮する必要があります。最短で行っても養生と砂壁おさえ剤塗装で1日、ペンキ塗装二度塗りで1日の計2日は必要です。
ふすまを塗装する
ふすまのデザインは古い感じの和柄が多いので、単色で塗装するだけでもかなり古さが軽減できます。ふすま紙を貼り替えることが出来ればそれが一番いいのですが、これも技術が必要なので、僕はふすまもペンキで塗装します。
準備するもの
- 刷毛(ハケ)
- ローラーハケ
- 容器
- マスキングテープ
- ブルーシート
- ペンキ塗料
- ビニール手袋
- 雑巾
- 脚立
では、施工手順を解説していきます。
DIYの手順
ふすまを外す
それではまず、ふすまを木枠から外していきます。引き戸の場合は簡単に上に持ち上げれば外せます。開き戸の場合は蝶番をビス止めしているのでビスを外します。水平な場所に養生用にブルーシートを敷き、その上にふすまを置きます。出来れば木枠や取手を外す方が良いですが、なにせ古いので素人が無理に外そうとすると壊れる可能性があるので、外すのが難しい場合は木枠や取手をマスキングテープで保護します。
ふすまにペンキを塗る
ふすまを水平に置いたらペンキで塗装していきます。塗料は砂壁を塗ったペンキが余っているなら同じものを使ってもいいし、違う色に変えてもいいと思います。ここで注意しなければいけないのが、塗料の水分が多いとふすま紙がふやけて浮いてきますので、出来るだけ水で薄めないようにしましょう。塗装は綺麗に塗るために二度塗りします。塗り終わったら壁などに立てかけて一日乾かします。しっかりと乾燥させてふやけて浮いていたふすま紙の張りが戻ったら完成です。


予算の目安 (上の小さいふすま4枚、下の大きいふすま4枚)
- ペンキ塗料1.6ℓ×1個=約2,500円
作業時間の目安 (上の小さいふすま4枚、下の大きいふすま4枚)
- 木枠取り外し、マスキング・養生作業:約1時間
- ペンキ塗装:一度塗り約2時間+二度塗り約2時間 計約4時間
障子からカーテンに変更する
昔の和室の窓は障子です。しかも築古戸建ての場合、障子紙はボロボロで木枠だけになっていることも多いです。木部も割れがあったりもしますので、よっぽど綺麗な場合で残っていない限りは、僕は障子を外してしまい、カーテンがつけれるようにします。
準備するもの
- カーテンレール(ダブルレール)
- ふさかけ
- 電動ドライバー
- ドリルビット
- プラスドライバービット
- 脚立
では、施工手順を解説していきます。
DIYの手順
障子を外す
障子を本体ごと窓枠から外します。襖と同じ要領で上に持ち上げれば簡単に外せます。
カーテンレールを取り付ける
窓枠の上部の木枠部分に、カーテンレールをビスで取り付けてきます。長さ2mぐらいあれば和室の窓ならほとんど対応できると思います。
レールの取り付け位置が決まったら、電動ドライバーにドリルビットをセットして下穴をあ開けていきます。
下穴が開いたら、ドリルビットをプラスドライバービットに差し変えてカーテンレールをビス止めします。
カーテンレールがしっかりと固定されたら、最後に木枠の横面にふさかけを付けて完成です。
カーテンレールを付けた状態にしておけば、賃貸後に入居者自身がカーテンとレースを取りつけ、好みのインテリアを楽しむ事が出来ます。


予算の目安 (窓2ヶ所)
- カーテンレール(ダブルレール)×2本=1,500×2=約3,000円
- ふさかけ2個セット×2つ=600×2=約1,200円
作業時間の目安 (窓2ヶ所)
- 障子取り外し:約5分
- カーテンレール・ふさかけ取付け:約30分
和風の吊り下げ照明をシーリングライトに変更する
中古戸建の場合、残置物として和風の吊り下げ照明が付いていることが多いです。使えるならそのまま使ってもいいのですが、古くて汚れていることが多いので、僕はシーリングライトに取り替えます。
準備するもの
- シーリングライト
- 脚立
では、施工手順を解説していきます。
DIYの手順
吊り下げ式照明を外す
脚立を使って、天井のシーリング(電源取り付け部)から古い吊り下げ式照明本体を外します。基本は接続部を反時計回りに回せば外せますが、取り外し方が分からない場合は説明書やネットで調べて確認してください。
シーリングライトを取り付ける
新しいシーリングライトを取り付けて完成です。取付方法は説明書で確認してください。


予算の目安 (シーリングライト1つ)
- シーリングライト×1個=約3,000円
作業時間の目安 (シーリングライト1つ)
- 吊り下げ照明取り外し:約5分
- シーリングライト取り付け:約10分
ここまでが、古い和室を新しい和室に変えるために行ったDIYの紹介でした。これで壁から上は再生できたのですが、あとは床の再生が残っているので、そちらも併せて紹介していきます。
古い和室を今風和室にするために業者に依頼したリフォーム
畳を表替えする
畳の表替えに関しては、DIYすることは出来ないので畳業者に表替えを依頼します。
業者を選ぶ
僕も過去に何社か依頼したことがあります。おそらく一度お願いした業者さんに今後も依頼していくことになると思いますので、最低2社ほど、一番安い表替えプランの見積りを取ると良いと思います。

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予算の目安 (6畳)
- 畳表替え×6畳=4,000×6=約24,000円
一番安い表替えの相場だと、1畳約4,000円ぐらいでお願いできます。(2025年現在)
予算の合計
それでは、昭和の和室を『平成の和室』に再生させたときの予算の合計を計算してみます。
和室1室にかかるDIY予算の合計 (6畳)
- 砂壁塗装:約10,000円
- ふすま塗装:約2,500円
- カーテンレール取付け:約4,200円
- シーリングライト取付け:約3,000円
- 畳の表替え:約2,4000円
- その他の備品(刷毛やマスキングテープなどの消耗品等):約10,000円
合計:約53,700円
一戸建てで和室が3部屋の場合:53,700×3部屋=約161,100円
冒頭でも述べた様に、単純計算ですが8畳部屋が含まれていたとしても、20万円程度で施工出来ます。
この合計には、工具や道具などは含まれていませんので、DIYが初めての方は、最初少しお金が掛かるかもしれませんが、それでも数万円もあれば工具一式用意できます。
まとめ
これまでこの方法で、何室も和室を再生してきましたが、この方法の最大の特徴は、難しい技術は一切使っていませんので、DIYに少し慣れれば『誰でも出来る』という点です。実際に築古和室でもこの状態にまで再生できれば、洋室と変わらないぐらいの入居成約率になっています。また1度再生させた和室は、退去時の修繕で、壁や襖の汚れは同じ塗料を部分的に上塗りし、畳の表替えをするだけで、ほとんど賃貸前の状態に再生することが出来ます。この内容のDIYを行った物件は10年経過した貸家もありますが、今も状態変わらず賃貸してくれています。
僕は最小限の予算でこのDIYをしていますので、壁は白、ライトはシンプルな物になってしまいましたが、例えばもう少し予算を使って、壁の色をパステルカラーにしてみたり、オシャレなライトを付けてみたりすると『令和風なモダン和室』に仕上がるかもしれませんね。今回の記事で応用できるところがあれば、ぜひ活用してみて下さい。
また他の記事では、今回ご紹介したDIYを内容別に詳しく解説していきますので、大家さんを始めたばかりの方や、DIYに興味がある方にとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。
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