不動産会社に賃貸の仲介依頼して、初めて自分の投資物件を借りてくれる人が決まりました。「やったぁ!これから毎月家賃が入って来るぞ。不労所得だ!」と、言う訳にはいかないのが大家業です。実際に入居者さんに住んでもらっている間は「賃貸管理」しなければいけません。
「いやいや、不動産業界は未経験だし、賃貸の管理なんて難しそうで出来ない!」と思われたそこのあなた。
結論からいうと、不動産管理会社に賃貸管理を委託することも出来ますが、物件が少ない間は、自分で賃貸管理する『自主管理』することは、そんなに難しくはありません。僕の物件は入居者が良い人ばかりだったのか、自主管理でも大変な思いをしたことは殆どありません。
当ページは、プチ大家歴10年になる僕が、副業大家を始めた当初『自主管理』をしていた時の経験と気づきを紹介していきます。他の大家さんブログとは違った視点で、実体験を基に記事を書いていますので、一人の個人大家の体験談を、娯楽の一部として楽しんで読んで頂けたら幸いです。
では実際に、何を管理しないといけないか、詳しく解説していきます。
管理する業務 3つ
家賃の入金確認
毎月振込期日までに、指定口座に家賃が振り込まれているか確認します。入金履歴が無かった場合は、入居者に連絡しなければいけませんが、振込を忘れていた可能性もあるので、丁寧な口調で入金がない旨を伝えます。
入居者からの連絡対応
入居者から貸家に関して相談の連絡が入ることがあります。大きなものになると雨漏り給湯器の故障、近隣住民とのトラブルなどがあると思いますが、僕が一番多く連絡を受けたのは、設備の故障などのクレーム連絡でした。実際にあったのは、配管の水漏れや排水溝の詰まりなど、水回り関係は特に多かったと感じます。ただそれでも入居者からの連絡は年に1回あるか無いかでした。
退去の手続きと立ち合い
これは自主管理の中で一番したくない仕事です。ただ残念ですが必ずいつかこの連絡が来ますので、入居者から退去の連絡があった場合は、最後まで堂々と大家として退去立ち合いの調整を行います。(退去の手続きに関しては別の記事で解説します)
それでは、自主管理することで得られるメリットについて解説していきます。
自主管理のメリット 3つ
管理委託手数料が必要ない
自主管理の一番の目的は、管理委託にかかる支出を抑えることで、キャッシュフローを上げることです。管理会社によって異なりますが、賃貸管理を委託した場合、家賃の5%ぐらいの管理委託料が必要になります。例えば6万円の家賃の場合、管理委託すると3000円程度(消費税や振込手数料が別途必要なことも有り)の管理費が必要になってきますので、自主管理することでその分を利益に回すことができます。
入居者や物件の状況が把握しやすい
管理を委託した場合、入居者とやり取りしなくていい反面、入居者が抱えている不満などに気づきにくく、満足度が低下し退去に繋がるおそれがあります。入居者と直接コミュニケーションをとることで、関係が密接になり、不満や物件に対するトラブルなどに迅速に対処すれば、満足度の向上も期待できます。
大家として知識と技量が身に付く
どの様に対処すればいいか、どれだけの時間が必要か、どのくらい費用が掛かるかなどが賃貸管理を自分で経験することで分かるようになり、管理業務のノウハウや知識が身に付きます。いずれ物件数が増えてきて管理を委託することになった後も、そのノウハウを使って管理会社に入居者と適切なやり取りを依頼することが出来ます。
では次に、僕が自主管理することで感じているデメリットについて解説していきます。
自主管理のデメリット 2つ
時間と労力が必要になる
副業で大家さんをやっている場合、管理業務が時間と労力を要することは本業にも大きな影響を与えます。例えば家賃の入金確認は、毎月必ず必要になってきますし、もし物件で大きなトラブルがあれば、本業の休み時間などを利用してでも迅速に対応しなければいけなくなり、サイドビジネス大家にとって肉体的・精神的にも大きな負担となります。
トラブル解決やクレーム対応などの専門技術が必要になる
家賃滞納している入居者に催促する方法や、クレーム対処など、多くのトラブルに対する専門的な知識が必要になってきます。管理会社はトラブル対応を専門的にされていますが、初心者大家がトラブルに対して不適切な対応を行ってしまうと、より問題が大きくなってしまう可能性があります。
では、これらのデメリットに対して、僕が対処している方法を紹介します。
自主管理のデメリット 対処法 4選
ネットバンクを利用する
毎月の家賃入金確認に対する対処法として、振込指定銀行のネットバンクを利用する方法があります。わざわざ銀行に行って通帳記帳する必要が無く、スマホやパソコンで簡単に確認することができ、家賃滞納に関してもすぐに把握して催促することが出来ます。
家賃保証会社に加入してもらう
家賃滞納に対する対処法として、賃貸契約時に家賃保証会社への加入を条件にする方法があります。ただの入金忘れなら電話連絡だけで済みますが、本当に家賃滞納されている場合は家賃の回収は困難になりますので、家賃保証会社に加入してもらうことで、家賃の立て替えと、滞納が数ヶ月(目安は3ヶ月)続いている場合は強制退去に向けての手続きを代行してくれます。
24時間駆け付けサービスに加入する
住宅内でおこる設備のトラブルに対して、大家自身が迅速に対応できない場合に、24時間駆け付けサービスに加入しておく方法があります。料金も年間1万円程度で加入でき、あらかじめ入居者に、駆け付けサービスの連絡先を伝えておくことで、トラブル対応の窓口と現場への駆け付けを業者に代行してもらうことが出来ます。作業内容や追加作業が必要な場合も、業者が大家へ報告してくれますので安心です。実際に駆けつけてもらった場合は出張料と工賃は無料で、別途部品交換などが必要な場合、追加で費用がかかってくることがあります。
自主管理から管理会社委託に切り替える
どうしても自主管理を続けていくのが困難になってきた場合は、賃貸途中でも管理会社に委託することも出来ます。トラブルへの対応が苦手だったり、本業が忙しくなってきて負担が大きくなってきたなど、大家さんにもそれぞれの事情がありますので、自身の状況にあった無理のない管理方法へ切り替えることができます。
管理人大家に大切な心持
ひと昔前の大家さんは「自分の所有している貸家に住まわせてやってる」的な態度の方も正直いました。ただ今は時代が違います。管理人が上から目線では、無意味にトラブルを増やすことになります。理不尽なクレーマーや家賃滞納者には、言うべきことは言わなければいけませんが、僕は大家の心持として「貸してあげてる」のではなく「借りてくれてる」というスタンスをとることで、入居者もまた「貸してもらっている」という姿勢て住んでもらえ、お互い対等な関係を築くことで安定して『自主管理』を継続していくことが出来るのではないかと考えています。
まとめ
長々と自主管理を勧めてきましたが、冒頭でも言った通り僕は今、自主管理をしていません。貸家戸建が3軒までは自主管理をしていましたが、4軒を超えてから本業との両立が困難になってきたことと、ある程度家賃収入が入ってくる様になり管理費を賄えるようになったので、現在は5軒とも賃貸管理会社に委託しています。初めは勉強のために『自主管理』に挑戦し、経験を積んでから『管理委託』するというのも一つの方法ではないでしょうか。
また他の記事では、家賃保証会社の活用事例や、24時間駆け付けサービスの活用事例も記載していきますので、初心者大家さんや、賃貸中の対応に困っている大家さんにとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。
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