【大家が体験した怖い話】そして夜逃げへ!突然来る家賃滞納への対処法。

賃貸

あれは僕が大家さんになって3年ぐらい経って、少し慣れてきたころの出来度でした。

当時、入居募集の為に不動産店舗への営業周りを一通り終えたので、気長に入居が決まるのを待っていると、1ヶ月も経たなうちに不動産店舗の営業担当から「入居の申し込みが入りました」と連絡が来たのです。あまりに早い入居連絡に「えっもう?」と、嬉しい感情よりもビックリしたことを覚えています。

「いやいや、早く入居が決まって良かったやん!」と思われたそこのあなた。

そう!こういうことは素直に喜ぶべきです。空室期間なんて短いにこしたことはない。ただ入居者さんがどんな方かは気になる。僕は不動産会社から送られてきた賃貸契約書類一式に興味深々で目を通してみました。そこにはなんと勤勉そうなご主人様と優しそうな奥様、それに中学生ぐらいの真面目そうなお子様2人の家族写真が同封されているではありませんか。情報にはしっかりとした企業に勤めていらっしゃる。保証会社の審査もクリアしている。「完璧じゃないか!」それに僕がターゲティングしていたのがファミリー世帯だったので、これ以上無いと思えるぐらい理想の入居者でした。こんな素敵なご家族の入居を決めてくれた不動産店舗に感謝の気持ちでいっぱいです。

ただあの時僕はまだ、その後に起こる恐ろしい出来事の数々を知るよしも無かったのです。

当ページは、大家をしていて体験した恐怖の実話を紹介していきます。あくまで僕が遭遇した出来事に対する個人の感想であり、これが正しい反応というワケではありませんので、一人の個人大家の体験談を「うわっ、かわいそう!」という気持ちで、娯楽の一環として楽しんで読んで頂けたら幸いです。

序章

賃貸契約が始まって、すぐにその入居者さんから僕のスマホに連絡がありました。入居間もないの連絡はクレームの可能性が高いのが事実です。予想通り電話の内容は「トイレが詰まって流れない」との事でした。もちろんこれは大家の責任なので、当時加入していた24時間駆け付けサービスを利用して対処しました。こういった一つ一つの大家の対応が、入居者さんとの信頼構築につながります。迅速に対応したので入居者さんも特に怒っている様子はなく、よりちゃんとした大家である事のアピールになったんじゃないかと勝手に思っておりました。

ただ少し気になったのは、業者曰く、詰まりの原因が『大量のトイレットペーパーを流したことによるもの』とのこと。入居前にトイレがちゃんと流れるかは僕も確認していたつもりでいたのですが。まぁ迷惑をかけたことは事実なので、今回の対応をきっかけに、このご家族がうちの貸家に末永く住み続けてくれることを願うのみでした。

ただこれも、これから始まる恐ろしい出来事の始まりに過ぎなかったのです。

家賃滞納のはじまり

入居後はじめての家賃振込期日。大家としてはとてもありがたい日です。いつものように銀行で通帳記帳し、そして確認すると…入金が無い!さすがに入居後いきなり家賃滞納なんて今までなかったので、僕の見間違いと思い、もう一度目を凝らしてしっかりと確認しました…やっぱり無い。少し不安を感じながらも、その日のうちに入居者に連絡をすると、案の定「忘れていた」との事。『おいおいしっかりしてくれよ』と心の中で思いながらも「今日中に振り込んでくださいね」とやさしく丁重にお願いしました。

そして翌日…やはり入金が無い。これには流石にカチンときました。僕は第3者に間に入ってもらう必要があると感じ、この入居者を紹介してくれた不動産店舗の担当者に連絡を取りました。事の経緯を伝えると紹介した責任を感じて下さり、すぐに入居者と連絡を取り合ってくれて、家賃をしっかり払うよう説得してくれました。その後、僕の方に入居者から電話で「今お金が無いので、来月に今月分もまとめて支払う」と連絡がありました。『だったら、昨日の時点でそう言えよ!』と喉まで出かかった言葉を飲み込み「承知しました。必ず来月の振込期日までに家賃を振り込んで下さい」とお願いしました。この際に翌月にすぐスマホで入金確認出来るようにネットバンクサービスを登録しました。ただこの時点で僕は、この入居者に対して強い不信感を抱かずにはいられませんでした。

そして一ヶ月後にスマホで確認。予想通り入金はありません。『プッツン!』心の声を聞いた僕は、これはガツンと言ってやるとの思いで入居者に連絡をしたのですが、何回かけても繋がりません。この時はっきりと確信しました『家賃を踏み倒されている事を』。一応紹介してくれた不動産担当者にはこの事を伝え、もう一度説得する事を提案してくれましたが、こちらとしてはもう次の段階に移行すべきと判断し、初の家賃保証会社への連絡を実行いたしました。

まずは保証会社の担当者に、すでに現時点で家賃が2ヶ月分払れていないという事実を伝えました。未払い分の家賃は保証会社が立替てくれるとのことですが、ずっと立替て続けるわけにもいかないので、家賃未払いが3ヶ月を超えたら強制退去に向けての手続きを始めると説明がありました。

僕は入居者への家賃催促は諦めて、強制退去の方向で動き出しました。

強制退去に向けて

すでに3ヶ月以上経過し、強制退去に向けての入居者とのやり取りと手続きの全てを保証会社に委託していた為、大家である僕が入居者に連絡を取ることはありません。

ただ貸家の状態は気になる。1度こっそり現地を見に行ってみると、電気はついてるし、自転車も止まっている。『めちゃめちゃ普通に住んどるやんけ、だったら家賃払えよ!』と思いましたが、この段階で家賃を払われると色々とややこしくなるので、未払いのままでいいです。でも1回も家賃も払わずに堂々と居座っていることが複雑でした。保証会社に関しては、行政的な手続きを進めている経過を随時報告してくれていたので、安心して任せていました。

そして、とうとう強制退去日が決定しました。その間実に9ヶ月一度も家賃が振り込まれることはありませんでした。強制退去当日はもちろん、大家である僕も同行する必要があります。ただ当日鍵交換が必須との事で、保証会社に見積りと鍵屋との調整も委託したのですが、それは保証の対象外で大家の自腹になります『前回鍵交換してまだ1年も経ってないのに』。

そして強制退去当日を迎えるのですが、そこでは僕の予想をはるかに超える事態が発生していたのでした。

そして夜逃げへ

はじめて強制退去日に入居者に会うことになる僕は、言ってやりたいことは山ほどあったのですが、その気持ちをグっと抑えて、ここは大人の対応で送り出そうと現地に向うのでした。

予定時刻丁度に貸家に到着した頃には、すでに数人の業者の方によってトラックに荷物が運び出されている最中でした。その中に1人スーツを着た方がいたので、お声かけすると、その方が今までやり取りをしていた保証会社の担当者だと言うことが分かりました。そして今の現状を聞くと驚くべき事実が発覚!なんと入居者家族がいない。担当者曰く「夜逃げです」と。「え~!」僕はビックリして思わず声を上げてしまいましたが、担当者は全く驚いている様子はありません。まあ『よくあるパターン』との事で想定内らしいです。流石プロ!恐ろしい。

もちろん僕はそんな現場に遭遇することは初めてで、恐る恐る家の中に入ってみると、残置物が無造作に山ほど残されているではありませんか。そしてふと隅の方に目をやると、そこにはペットゲージが。『ぎゃー!』と心の中で叫んでしまい、中を確認してみると…何もいませんでした『よかった!』ペットゲージも含め全ての残置物が業者によって運び出された後に、鍵屋による鍵交換が行われました。担当者から後日、保証期間中の家賃の立替え分をまとめて振込む旨の説明を聞いて、大家としては家賃滞納者に対する全ての作業は終了しました。

僕にはもう関係の無い事かもしれませんが、一応夜逃げした入居者はこれからどうするのか担当者に聴いてみると「もちろん立替えている家賃は回収する」とおっしゃられていました。逃げ得にはさせない様子です。今まで淡々として表情一つ変えなかった担当者がそれを言っていた時だけ『目が本気』でした。怖ろしい…いや当然ですね。

さて僕は、業者が帰った後に残置物が撤去された後の貸家を確認すると、めちゃくちゃ汚されている状態でした。大切に使ってくれていた形跡など一切ありません。そりゃそうだよな。逃げる予定の家のことなんか考えないよな。幸い大きな破損等は無かったのでハウスクリーニングで対応出来そうです。僕は自分でハウスクリーニングもしてしまいますが、『前回ハウスクリーニングしてまだ1年も経ってねーよ!』(デジャブ)

まとめ

僕は人生で初めて夜逃げというものを目のあたりにしました。ただこの入居者に対していくつか全く理解できない点があるのです。

それがこちらです。

理解できない点 3選

  • この地域ではもっと安いファミリー向け物件がある。
  • 強制退去まで居座る。
  • 家族(子供)がいるのに夜逃げした。

では、それぞれ理由について説明していきます。

この地域ではもっと安いファミリー向け物件がある。

僕はこの貸家を6万円に設定しており、戸建てでこの家賃は決して高くはないのですが、この地域には探せば3万円代からでもファミリーで住める賃貸物件があります。もし6万円の家賃が負担だったのであれば、途中でもっと安い家賃の家に借り換えるべきです。もしかしたらこの入居者は、最初から家賃なんて払う気は無かったのかもしれません。

強制退去まで居座る。

まず大前提として、保証会社が入居者の代わりに立替えている家賃は借金です。返さないといけません。もちろんそのことを入居者も理解しているはずです。家賃未払いの状態で長く居座るほど、借金は膨れ上がります。会社勤務されていたので給料は差し押さえられるし、返せない場合最悪、自己破産も有りえます。長年住んで愛着があるわけでもないのに、最大限まで借金を増やしてから出て行った理由が分かりません。

家族(子供)がいるのに夜逃げした。

まさか妻子持ちの人間がそんなことをするとは夢にも思いませんでした。いきなり借金を背負って逃亡生活。一番可哀そうなのはお子さんです。現状を理解出来ない年齢ではなかったので、この状況をいったい何て説明してるんでしょうね。思春期真っただ中なのに学校とかどうするんだろう?

上記のリスクを背負ってまでなぜ、僕の貸家でたった9ヶ月間暮らしたかったのか理解が出来ません。すぐに退去すれば借金も最小限に抑えられたはずなのに…

まず僕は貸家を汚され、家賃保証会社は僕に家賃を立替えて、入居者家族は借金逃亡生活。誰も幸せになってないのです。いやむしろ入居者家族が最も大きなリスクを背負っているはず。もちろん原因は入居者にあるので同情の余地はありません。

8年前に体験した出来事。かなり時が経ってしまいましたが、僕の貸家に入居してきたあの家族は、今頃いったいどうなっているのか想像しただけでも怖ろしい。というお話でした。

ちなみに僕は貸家を汚された事を除けばほぼノーダメージでしたので安心して下さい。

当ページで活用したサービス 4選

  • 24時間駆け付けサービス
  • 賃貸不動産店舗への相談
  • ネットバンクサービス
  • 家賃保証会社

では、それぞれ解説していきます。

24時間駆け付けサービス

この時は自主管理していて24時間駆け付けサービスに加入していたので、入居者からトイレの詰まりの一報を受けて、直ぐに駆け付けサービスに現場へ向かってもらいました。原因はトイレットペーパーの詰まりだったので、初期対応のみで解決できたので、追加料金は一切かかりませんでした。

賃貸不動産店舗への相談

本来は入居付けを仲介してくれた不動産会社は、賃貸管理委託していない限り入居後のトラブルに関しては一切対応してもらえないのが普通なのですが、今回の件に関しては紹介してくれた入居者が、いきなり家賃未払いしている事情を担当者に相談すると、快く入居者への説得に応じてくれました。

ネットバンクサービス

これ以前は毎月指定銀行に行って通帳記帳をしていたのですが、なかなか手間がかかる為、家賃滞納が始まって以降は問題に迅速に対応出来る様に、スマホで入金確認できるネットバンクサービスへの利用登録を行いました。結局その後も入金を確認できることはありませんでしたが。

家賃保証会社

今回最大限にお世話になったサービスです。入居者が滞納している家賃・強制退去の手続き費用・残置物の撤去費用を保証してくれました。ただ鍵交換代、ハウスクリーニング・修繕費は保証の対象外となっています。僕が保証会社を利用したのは大家を続けてきた10年間でこの一度だけで、もしかすると家賃保証会社によって保証内容が違ってくるかもしれないので、加入している保証会社に確認しておくことをおすすめします。

今回の教訓は、例え真面目そうなファミリー世帯でも家賃滞納の可能性がある為、『保証会社への加入は必須』事項にしておきましょう。

また他の記事では、火災保険の加入も必須!であることを、実例を基に詳しく解説していきますので、これから大家さんを始められる方にとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。

つじやん

何か自分にも出来る副業は無いかと思い立ち、知識ゼロで大家さんを始めました。あれから10年、今までの体験を基に、これから大家さんを目指される方にとって参考になる情報を発信していきます。

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