【退去立ち合い】感謝の気持ちで見送ろう!大家が行う立ち合いのポイント。

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大家さんをやっていて悲しい出来事の一つ、それは入居者からの『退去連絡』でしょう。出会いがあれば別れもある。その連絡は突然やって来ます。大家として、今まで貸家に住んで下さっていた入居者さんを感謝の気持ちで見送り、また新たな入居者さんを迎え入れる為に貸家をリフォームしていく事でしょう。

「いやいや、どうせ出て行ったらもう関係無いし、適当に対応したらいいやろ!」と思っているそこのあなた、

結論から申しますと、もうお客さんじゃないと思って、退去立ち合いで最悪な対応すると、後々トラブルに発展する可能性があります。場合によっては、退去後にも連絡を取らなければいけない可能性がありますので、退去立ち合いと言っても最後まで丁寧に対応する事が、余計なトラブルを抑えることに繋がります。

皆さんも部屋を借りていて、不動産会社との退去の立ち合いで、嫌な思いをされた方はいないでしょうか。管理会社の担当者の退去立ち合いは、基本的に事務的で高圧的な場合が多いです。ごく稀に世間話も交えながら親切に対応してくれる担当の方もいましたが、自分の物件でも、せっかく住んでくださった入居者に出来る限り嫌な思いはさせてく無いので、最後は気持ちよく送り出してあげてください。

ただ、大家としてしっかりと確認しないといけないことはありますので、その説明をしていきます。当記事は、『【自主管理】管理人さんになろう!初心者大家でも出来る賃貸管理の心得。』の場合に行うことで、管理を委託している場合は、退去立ち合いの方も管理会社が行ってくれます。

退去立ち合いまでにすること 2つ

電話で退去立ち合いの調整をする

基本的に退去する前月末までには、退去連絡をもらいます。その際に入居者と都合を合わせ、退去立ち合いの日程を調整しましょう。合わせて、物件の破損等が無いか直接聞いておくと、立ち合い当日の物件チェックがスムーズに行えます。出来れば退去の理由も聞いておくと今後の大家業の参考になります。

書面で退去立ち合いの案内文を送る

書面に調整した立ち合い日程や、当日必要な持ち物の案内を記載します。また退去日までに電気・ガス・水道・インターネットの解約、火災保険の解約、物の撤去を終わらせて、物件を掃除してもらうことを通知しておきましょう。

退去立ち合い当日にすること 3つ

鍵を返却してもらう

契約時に渡している鍵をすべて返却してもいます。鍵の本数は契約書にも記載してますし、前述に記載した退去立ち合い案内文の『当日必要な持ち物』で明記しておくとよいでしょう。

退去後の住所と連絡先を確認する

引っ越し先の住所と連絡先を確認しておきます。例えば、まだ残置物が残っていたり、返却の鍵の本数が足りなかった場合など、退去立ち合いの後にも連絡を取り会わなければいけない為、退去後の連絡先をしっかりと書面に記入してもらいましょう。

物件の状態を観て、原状回復が必要か確認する

事前に電話等で聞いていた破損個所や、それ以外の場所も原状回復の必要があるか、しっかり目視で確認します。ただ何でもかんでも入居者に回復費用を請求出来るものではありませんので、原状回復に関しては次で詳しく説明していきます。

原状回復として請求できるもの

原状回復とは元の状態に戻すという意味ですが、入居当時の様な綺麗な状態に戻さないといけないという意味ではありません。ここの認識の違いで多くのトラブルが発生するため、国土交通省が発行している原状回復ガイドラインhttps://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.htmlがあるので活用しましょう。このガイドラインにおいては『入居者が過失により破損させた物に対して請求が出来る』とされています。僕も自分が5年以上借りていた部屋の退去立ち合いで、管理会社から壁紙の一部が少し汚れていただけで、その壁一面の壁紙張替え費用を請求されたことがありました。それには流石に納得がいかなかったので、個人的に知り合いだったその物件のオーナーさんと直接交渉して、その壁紙の原状回復請求は無しにしてもらった事があります。普通に生活している中での汚れや経年劣化まで請求べきではありません。あくまでも『破損』している部分についてしっかりと請求しましょう。もちろんペットを飼っていた場合は、ペットが引っ搔いた跡なども請求できます。その場合は契約書に特約で『ペットが破損させた部分は現状回復費用として修繕費を請求いたします』などの文言を入れて置くとよいでしょう。

原状回復のチェックポイント 4選

壁・床・天井のチェック

壁は穴があいて無いか、床はフローリングなどが剥がれていないかをチェックします。タバコによる天井や壁の強烈な黄ばみも入居者の過失になりますので、しっかりと確認しておきましょう。

窓ガラス・扉のチェック

普通に使用していたら起こらない様な、窓ガラスの割れや扉のへこみ等を確認します。

設備のチェック

水回り設備・電源設備・ガス器具など、普通に使用していて壊れた場合は、通常は賃貸中に入居者から修理の依頼が来ます。それらの設備が退去立ち合い時に壊れていた場合は、入居者が過失を隠そうとしている可能性もありますので、物をぶつけた跡などの明らかに故意に破損させた様な形跡が無いかをチェックします。

外観まわりのチェック

出来る限り外観も全体的にチェックします。例えば、駐車する際に外壁に車の角をぶつけた跡など、人為的に破損させた形跡が無いかを確認します。ただし強風などの自然災害により外部から物が飛んできて外壁を破損させた場合は、入居中に発生したものでも請求は出来ませんので注意してください。(自然災害の場合は火災保険の対象になる可能性がありますので、詳しくは保険の担当者に確認してください。)

トラブルの回避方法 3選

原状回復請求の際、いくつかトラブルを回避するのに役立つ方法がありますので、僕が実践していたトラブル回避方法を紹介します。

入居前の写真を撮っておく

入居前に貸家がどのような状態だったかを、入居者立会いの元、広い範囲を写真に撮っておくと良いでしょう。原状回復が必要な場合、その写真と破損個所を見比べることで、入居者の納得を促す際に役立ちます。

説明を受けたことを書面で残す

入居前の写真撮影時と、退去立ち合いの破損個所の確認時と、どちらも大家から説明書を受けたことを、書面で入居者からサインをもらっておくことが望ましいです。共に確認したことを大家が証明出来ることが、余計なトラブルを抑制することに繋がります。

住んでもらった事に対してのお礼文を添える

退去立ち合いの案内分を郵送する際に添付しても良いと思いますが、今まで住んでくれていた感謝の気持ちを記した文章を同封することも、良好な関係を維持したまま、退去を迎えることに、わりと効果があります。例えば「長期間にわたり、当物件に住んで頂いてありがとうございました。またご縁がありましたら、私が所有している物件をご利用下さい。」などの簡単な文章を添えるだけでもいいと思います。

退去立ち合いに役立つアイテム

入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト

上記で紹介しました原状回復をめぐるトラブルとガイドライン内にある『入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト』https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.mlit.go.jp%2Fcommon%2F000991397.doc&wdOrigin=BROWSELINKをダウンロードして持参しましょう。転居先の住所・入居時と退去時のチェック項目・確認のサインなど、当記事で紹介した内容がこれ1枚で網羅されています。

原状回復の事例

僕が実際に行った原状回復請求の例として、退去立ち合いの際に、ベランダの雨戸が外れて破損していたので、その件を入居者に確認したところ、「台風の時に壊れた」と訴えるのですが、流石に今までその連絡が無かったので、『壊れたのを見つけた時点で連絡が欲しかった』ことを伝え、しっかりと雨戸の修理費を請求させてもらい、支払いして頂いた事があります。

まとめ

10年大家を続けてきて、原状回復請求をしたのは実は上記の1件だけで、今まで他の退去立ち合い時に破損等は見つかりませんでした。確かに壁や床が汚れていて、「もう少ししっかり掃除をして退去してほしい」と思うことはよくあるのですが、ハウスクリーニングを大家自身でするのも清掃技術の向上になると考えを切り替え、退去立ち合いの場では、笑顔で気持ちよく入居者さんとお別れしています。

あくまでこれは退去立ち合い手段の1例で、実際にはいろいろな入居者が居ますし、時と場合によっては毅然とした態度で退去立ち合いに応じる必要があるなど、自身に合った立ち合い手段を見つけてみて下さい。

また他の記事ではハウスクリーニングや、簡単な修繕技術の紹介も含めて、記載していきますので、物件の再生方法が気になる大家さんにとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。

つじやん

何か自分にも出来る副業は無いかと思い立ち、知識ゼロで大家さんを始めました。あれから10年、今までの体験を基に、これから大家さんを目指される方にとって参考になる情報を発信していきます。

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