【年に2回のチャンス!】シーズン別の賃貸需要と入居付け戦略。

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引っ越しシーズンという言葉があるように、不動産業界の賃貸需要の動向は、季節ごとに明確に決まっています。『【サイド大家直伝!】3ヶ月以内で貸家に入居付けするテクニック。』の記事では、賃貸仲介会社を対象とした入居付け戦略をご紹介しましたが、今回の記事では1年の中でそれぞれの季節性を考慮した入居付け戦略を解説していきます。

「いやいや、部屋探しなんて、いつしても一緒じゃないん?」と思っているそこのあなた。

考えてもらいたいのは、もし皆さんが引っ越しをするなら、どの季節が一番多いでしょうか。もちろんそれぞれのライフスタイルによって違いはありますが、一般的に引っ越しシーズンと呼ばれている季節が、不動産業界にとっての『繁忙期』で、賃貸物件の契約数が最も多くなるタイミングとなります。もちろん大家として『繁忙期』はとても重要で、このタイミングを逃すわけにはいきません。

出来ればその『繁忙期』入居を決めたい所ですが、もしそれを逃してしまった場合、各シーズンごとの賃貸需要に合わせた入居付け戦略が必要となってきますので、僕が行っている大家業戦略をご紹介します。

当ページは、大家歴10年になる僕が実体験で得た気づきを基に、賃貸募集をかけて平均3ヶ月以内で入居付けを成功させてきた大家業戦略をご紹介する内容となっています。個人大家の1例を投稿していますので、あくまでエンターテイメントとして楽しんで読んで頂けたら幸いです。

ではまず、分かりやすい様に、賃貸需要の特徴をそれぞれのシーズンに分けて解説していきます。

シーズンごとの賃貸需要の特徴

1月~3月

4月から進学や就職のための新生活に向けて、部屋探しを始める人が最も多いタイミングで、上記でお伝えしていた1年間で不動産業界が最も忙しくなる『繁忙期』がこの時期にあたります。ただ3月の後半からは徐々にその勢いが落ちてくるのも特徴です。また引っ越しが多いという事は、退去も多い時期ともいえます。

4月~5月

繁忙期が終わり、賃貸物件の需要は減ってきますが、1月から3月の間に希望物件に巡り合えなかった方や、あえて繁忙期を避けたいと思われている方が、4月以降も物件を探しているタイミングで、『繁忙期のフォロー期間』になります。

6月~8月

一般的に1年で最も生活スタイルの変化がなく、気温が高い事や台風などの自然災害も多いため、引っ越しをする人も少なくなる不動産業界でいう『閑散期』に入ります。逆に退去率は最も低い時期と言えます。

9月~10月

企業が人事異動を行うことが多い時期で、転勤に伴う引っ越しが多くなるシーズンになります。1月~3月の繁忙期ほどではありませんが、このシーズンも1年で2番目に賃貸物件の需要が高まる『準繁忙期』の時期となります。

11月~12月

準繁忙期は終わったあとの賃貸物件需要が一旦落ち着く時期なのですが、またすぐに1月から繁忙期がやって来るので、修繕やリフォームを完成させておく『繁忙期の準備期間』になります。

この様に、それぞれ賃貸需要別に5つのシーズンに分けることが出来ます。

では次は、各シーズンごとの入居付け戦略と大家として注意すべき点をご紹介していきます。

シーズンごとの入居け戦略と注意点

繁忙期(1月~3月)の戦略 

新生活が始まるのが4月からなので、多くの方が3月上旬までには物件を決め、3月下旬に引っ越しの準備をしたいと考えています。良い物件に巡り合うために年末から部屋探しを始める方もいるので、賃貸物件需要は実質12月下旬から徐々に高まり、1月2月でピークを迎え、3月の上旬で低下していきます。

このシーズンは賃貸仲介の営業マンも、お客さんを何軒も物件に案内していますので、自分の物件を選んでもらえる様に、修繕やリフォームを繁忙期前に終わらせて、いつでも内見出来る状態にしておくことが肝心です。

またこの時期は、営業マンから大家に対しての問い合わせも多くなります。ほとんどの場合、自分の物件をお客さんに提案してくれている時か、実際に入居希望者がいて条件次第で契約を検討しているタイミングで、対応が遅れると他の物件を検討されてしまう可能性がある為、普段サラリーマンをしていて電話に常時出れない場合でも、可能な限り早く返信・即答することが重要となってきます。

全体的な相場家賃も上がる為、自分の貸家の設定家賃も上げやすくなるタイミングでもあり、僕は仲介営業マンのアドバイスを聴きながら、最終的には自己判断で設定家賃を5,000円だけ上げる事もあります。

【注意点】設定家賃を高くすると成約率は下がってしまい、それによって繁忙期を逃してしまう可能性もでてきますので、プロに意見を仰ぐなど、慎重に判断することが求められます。

繁忙期フォロー期(4月~5月)の戦略

進学や就職による引っ越しの数は一旦落ち着きますが、3月までに物件を決めきれなかった人が引き続き部屋探しをしているシーズンです。

この時期は繁忙期に入居が決まらなかった物件が市場に残っている状態なので、より部屋探ししている人からの交渉も増えてきます。無理難題な要望に応じる必要はありませんが、妥協できる場合は交渉に応じることで、まだ賃貸契約が決まりやすい時期と言えます。

【注意点】繁忙期と同一条件では、入居付けを決めるのが難しくなる時期なので、設定家賃を上げていた場合は、このシーズンに入ったらすぐに元に戻します。

閑散期(6月~8月)の戦略

引っ越しをする人が最も少ないシーズンで賃貸物件の需要も低下します。この時期は賃貸募集は継続しながらも、時間がかかるリフォームを依頼したり、DIYで貸家をオシャレにしたり、庭や玄関のガーデニングや除草に力を入れるタイミングにします。

【注意点】全体的に家賃相場が低下するタイミングですが、長期間続くものでは無いため、周りの家賃相場にあわせて自分の物件の設定家賃を下げる必要はありません。

準繁忙期(9月~10月)の戦略

この時期の主な引っ越し理由は転勤が多く、家族そろって引っ越す場合も多いため、ファミリー物件の需要が高まります。戸建て大家にとっては繁忙期に次ぐ入居付けの大きなチャンスのタイミングとなります。閑散期に行っていたDIY等は8月中に終わらせ9月以降は内見に備え、自分の物件の魅力を発信する事に力を向けます。

【注意点】大家界隈では、この時期も家賃を上げることが出来ると言われていますが、繁忙期ほどの賃貸需要は無く、期間も短いため、このシーズンのチャンスを逃さない為にも、僕は設定家賃は変えずに入居募集しています。

繁忙期準備期(11月~12月)の戦略

準繁忙期のニーズが落ち着く時期ですが、最も重要な繁忙期のシーズンが近いため、12月上旬までに必ずリフォーム等は完成させ、いつでも内見出来る状態にします。年明けから新生活を始めたい人も一定数いるため、この時期に入居が決まることも十分あります。

【注意点】年末の駆け込み入居希望者には注意が必要です。特に理由も無く契約を急いでいる方や、家賃の値下げなどの無茶な要望を訴えてくる方は、滞納などにより他の物件を追い出された方など訳ありな事情を抱えている場合が多いです。もちろん普通に新年から生活したい人もいるので、しっかりと引っ越し理由を確認し、家賃保証会社の審査に通ることを条件にすることで、一定のリスクを回避することが出来ます。

これが、僕がシーズンごとに意識している入居付け戦略の紹介でした。もちろんこの方法を実践したとしても、入居が決まらない事は全然あります。それぐらい不動産は『巡り合わせ』の要素が強いので「決まる時は急に決まるし、決まらない時は全然決まらない」というのが実感です。

まとめ

季節性を考慮した入居付け戦略、どこか頭の片隅にでも入れて置いて頂ければ十分です。実際には、急に来る退去のタイミングや、必ず行わなければいけない修繕のタイミングなど、大家をやっていると季節性とは別の事も考慮しないといけなくなりますので、どのシーズンでも出来るだけ早く入居が決まるように、自分の所有している貸家の魅力を日々高めていってください。

ただ、やはり『繁忙期』だけは特別なので、大家になった際は意識しておくと良いと思います。

また他の記事では、戸建て大家としての実話なども投稿していきますので、副業に興味がある方や、大家さんを始めたばかりの方にとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。

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つじやん

何か自分にも出来る副業は無いかと思い立ち、知識ゼロで大家さんを始めました。あれから10年、今までの体験を基に、これから大家さんを目指される方にとって参考になる情報を発信していきます。

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