【どちらが負担する?】賃貸物件における設備と残置物の2つのパターン。

不動産業界

貸家には、入居者が生活する為にいろいろな設備が設置されています。もちろん大家として、人に家を貸し出す前にそういった設備をしっかりと使える状態にしておかなければいけません。ところで貸家に設置されているものって、壊れた時は大家が全部修理しないといけないのでしょうか?

「そんなん、借りた時から付いてる設備やねんから当たり前やろ!」と思っているそこのあなた。

結論を申しますと、貸家に設置されているからと言って、その全てが大家側に修理負担があるという訳ではありません。設置物に対する概念として、大家に管理責任がある『設備』と、大家に管理責任が無い『残置物』という2つのパターンがあります。入居後のトラブルを防ぐ為にも、対象の設置物が大家に責任がある『設備』になるか『残置物』になるかは、入居前に明確にしておくことが非常に重要となります。

当ページは、大家歴10年になる僕が実体験で得た気づきを基に、貸家における設備と残置物の違いを解説していきます。大家さんによって『設備』としている物『残置物』としている物が違いますので、一人の個人大家の一例を、参考程度に楽しんで読んで頂けたら幸いです。

それではまず、賃貸物件における設備について解説していきます。

設備とは

基本的に設備とは、物件そのものに取り付けられている設置物で、大家側に管理責任が伴います。

設備の一例

  • 給湯器
  • 水回り設備 (トイレやシャワー、洗面台など)
  • ビルトインガスコンロ
  • ビルトイン食洗器
  • 換気扇
  • 電源直結式の照明器具 (玄関の外照明など)
  • インターフォン など

これらの容易に取り外しが出来ない設置物は、物件の一部と考えられており、大家が通常通り使用できる状態を維持しなければいけません。

また、物件に備わっている設備ではありませんが、大家側が貸家に強みを持たせるために、エアコンや冷蔵庫などの家電を『設備』として意図的に備え付けているものもあります。

それでは、大家が入居者に説明すべき『設備』についてご説明します。

設備のポイント 3選

賃貸契約書の『設備一欄』に記載されている

大家が管理すべき設備に関しては、賃貸契約書の設備一覧等に必ず記載しておく必要があります。

修理義務がある

故障した設備は、入居者が故意に破損させた場合を除いて、大家側に修理義務が発生します。

勝手に取り替えてはいけない

設備は、入居者が自由に取り替えたり、破棄したりすることは出来ません。

戸建て貸家に、特典として設備を設置する効果について

上記で記載した通り、単身用の賃貸物件などでは、設備として家電付きを謳ったりしていますが、戸建て賃貸物件に関しては、大家が管理責任を負ってまで付加価値を付けた所で、入居募集や家賃設定に大きな影響は無いと思います。

実際に僕は所有している貸家の一軒に、設備として床暖房を設置しましたが、家賃を上げれる訳でも無く、むしろ故障した時の負担を考えると、コストパフォーマンスは悪くなると考えられます。

ここまでは、大家が責任をもって管理すべき『設備』をメインに解説してきました。ここからは、大家が責任を負わなくていい『残置物』にスポットを置いて解説していきます。

残置物とは

その名の通り、前の居住者が置いていった物で、賃貸物件における残置物とは『設備以外の設置物』を指すことが多いです。

残置物の一例

  • 取り付けが容易な照明器具 (天井照明など)
  • エアコン
  • 据え置き式のガスコンロ
  • 据え置き式の食洗器
  • テーブル
  • カーテン など

これらの残置物は『まだ使える』という理由から、前入居者が大家に許可を得て置いていった物ですが、使用するかは入居者に委ねられており、大家側に管理責任はありません。

残置物に関しては、大家によってルールが異なってきますが、一般的なパターンをご紹介します。

残置物のポイント 3選

賃貸契約書に記載されていない

通常、賃貸契約書に『設備』として記載されていない物は残置物扱いとなります。ただトラブルを避ける為に、対象物を『残置物とする』として記載する場合もあります。

修理義務がない

設備と違って、使える状態を保証するものでは無いので、故障した場合でも、大家側に修理義務が発生しません。

入居者の好きにしていい

大家によりますが、ほとんどの場合、残置物は入居者の自由にしていいことが多いです。

では、大家としてこの残置物を活用するメリットをご紹介します。

残置物を活用するメリット 2選

費用負担なく貸家の付加価値を高めることが出来る

前居住者が、まだ使える状態の物を無料で提供してくれているので、負担無しで貸家に対し付加価値を付けることが出来ます。

壊れても直さなくていい

あらかじめ設備では無い事を説明しておくことで、壊れた場合の修理費や撤去費用を負わなくて済みます。

この様に、残置物を上手に活用することで大家側にメリットがありますが、場合によってはリスクになる事もありますので、事例をご紹介します。

残置物を活用した失敗例

エアコンの入居直後の故障によるトラブル

前入居者が残していったエアコンを『残置物』として設置していた物で、そのことは契約時に説明していたのですが、入居後すぐに動かなくなってしまったらしく、現入居者から「いきなり壊れたエアコンの撤去費を負担しなくてはいけないのか」とクレームになった出来事があります。

この件以降、残置物に対して自分の中で一定のルールを決めていますので、参考程度にご紹介します。

残理物のトラブル 対処法

  • 入居前に、残置物を撤去して欲しい希望の有無を確認をしておく。
  • 入居時に、確実に使える状態か入居者と一緒に確認しておく。
  • 1ヶ月以内の故障については、大家側で撤去費用を負担する。

これらを承知してもらった上での他の故障に関しては、入居者で対応してもらっています。

残置物という概念を応用する方法

僕の貸家では入居募集時に、各部屋や廊下などの照明器具を全て設置した状態にしています。また古い物は明るい新品に取り替えております。これは内見対策で、照明の明るさ次第で、部屋の印象がかなり良くなるからです。

例えばこちらが変更前の古い証明です↓

そしてこちらが新しい照明になります↓

明るい照明に取り替えるだけで、玄関に入った第一印象が大きく変わります。

本来、大家が意図して設置した場合は『設備』になってしますのですが、新品も含めて、取り付けが容易な照明器具に関しては全て『残置物』扱いにしています。厳密には残置物では無いのですが『設備』にしてしまうと、大家が管理していくことになるからです。照明に関しては、気軽にインテリアを楽しむ面でも入居者の自由にしてもらいたいので、あえて設備にはしていません。

もちろん『残置物』扱いにすることで、退去の際に残してくれる保証はありませんが、もともと高い照明器具は設置していないので、また新しくてリーズナブルな物を取り付けます。

まとめ

戸建て大家歴10年の僕が、結果的に僕がたどり着いた考え方として「設備は最低限必要な物だけ設置」し「残置物は照明器具を残して他は撤去しておく」ことが運営していく上で無難ではないかと感じています。

ただ、よほど状態の良い『残置物』に巡り会った時は、ありがたく活用させてもらいましょう!

また他の記事では、コロナ禍の戸建て賃貸状況なども投稿していきますので、副業に興味がある方や、大家さんを始めたばかりの方にとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。

ハウジングバザール
つじやん

何か自分にも出来る副業は無いかと思い立ち、知識ゼロで大家さんを始めました。あれから10年、今までの体験を基に、これから大家さんを目指される方にとって参考になる情報を発信していきます。

つじやんをフォローする
不動産業界