大家業を営んでいる中で、多い退去時の事例の1つとして『窓にシールなどの粘着跡が残っている』ということがあります。
例えば、結露防止シートの跡や、お子さんがいらっしゃったご家庭ではシールを貼った跡などが結構な確率で残っています。
本音を言えば退去立ち合いで「キレイに剥がしてから退去していってくれ」と言いたいところですが、長く住んで頂いた貸家での思い出が最後の最後にそんなことで悪くなってしまうのも悲しいので、よほど悪質な場合を除いて指摘することはありません。
もちろん、そのままの状態で次の入居募集をかけるわけにもいきませんので、何とかして自分で剥がします。
「そんなん、シール剥がし剤使えばいいやん!」と思ったそこのあなた。
確かにその通り。ホームセンターなんかに売っているシール剥がし専用のスプレー剤なんかを使えばキレイに剥がすことが出来るでしょう!
でもそんなに頻繁にシール剥がしすることもないと思いますので、せっかく大家をやっているのであれば、他のDIYや掃除でも併用できる様なアイテムがあれば、なお良いとは思いませんか?
実は、あるんです!それが今回ご紹介する『無水エタノール』というものになります。
「何それ?」という方もいらっしゃると思いますので、今回の記事では、大家歴10年になる僕が、実体験で得た気づきを基に、シールを剥がすこと以外にも多用途で使える無水エタノールをご紹介していきます。大家目線で記事を書いていますので、エンターテイメントの1つとして楽しんで読んで頂けたら幸いです。
それではまず、無水エタノールとは何かをご説明します。
無水エタノールとは
一般的にエタノールと言えば、よく知られているのは病院などのアルコール消毒で使う「消毒用エタノール」ではないでしょうか。
消毒用エタノールには少しだけ水分が含まれていますが、今回ご紹介したい無水エタノールは水分をほとんど含まない高純度のエタノール(エチルアルコール)で消毒効果はほとんどありません。下記にその違いを記載します。
無水エタノールと消毒用エタノール(消毒用アルコール)の違い
| 種類 | エタノール濃度 | 特徴 |
|---|---|---|
| 無水エタノール | 約99.5%以上 | 揮発性が高い |
| 消毒用エタノール | 約70~80% | 消毒効果が高い |
消毒用エタノールは細菌やウイルスの消毒に効果的です。対して無水エタノールは蒸発が速すぎて、十分な消毒効果を発揮しにくい特徴があります。ただし無水エタノールには、別の多くの用途でも使えると言った性質を持っています。
無水エタノールは、ネットやドラッグストアなどで手軽に購入する事ができます。
それでは次は、無水エタノールの活用方法と注意点を解説していきます。
無水エタノールの活用方法 6選
粘着跡をキレイに消せる
無水エタノールは粘着剤を溶かす性質があります。上手く剥がせなかったシールやテープの跡も、無水エタノールを使えばキレイに剥がすことが出来ます。
また、ウレタン製のゴム製品などは、時間が経つと加水分解により表面がベタベタになってしまいますが、そんな場合でも無水エタノールを使えばベタベタの跡をキレイに拭き取ることが出来ます。
油性ペンなどのインクを消せる
無水エタノールには、インクなどの塗料を強力に溶解する作用もあるため、サインペンやカラーペンで入居者のお子さんが書いた落書きなども、簡単に消すことが出来ます。
油汚れ掃除に使える
キッチンのガスレンジや換気扇など、頑固な油汚れ掃除に効果を発揮してくれます。
過去記事で、裏技として『【大家が使える裏技②】食べたみかんの皮を掃除で活用するメリット2選。』をご紹介させて頂きましたが、あくまでお金をかけずに試すことが出来る裏技の紹介であり、油落としとしての能力は断然無水エタノールの方が強力です。
脱脂出来る
上記でお伝えした通り、無水エタノールには強力な油落とし効果があり、シール剥がしや塗料を消したりすることにも使えますが、逆にカッティングシートを貼る面の脱脂や、塗装する場所の表面の脱脂もでき、シールや塗料を剥がれにくくする目的でも使うことが出来ます。
水拭きが出来ない場所の拭き掃除ができる
無水エタノールは揮発性が高いので、普通は水拭き等が禁止されている精密機器などの拭き掃除することが出来ます。もちろん錆びる心配も無いので、DIYで使った工具もキレイに拭き掃除する事が出来ます。
消毒用エタノールも作れる
もちろん、水で希釈することで消毒用エタノールも作ることが出来ます。割合は無水エタノール8に対し水2で濃度80%の消毒用エタノールが出来ます。これをスプレーボトル等に入れ変えれば、台所・トイレの除菌、浴室のヌメり取り、カビが発生した場所のカビ取り・カビ予防、もちろん自身の手指消毒など、様々な貸家のハウスクリーニング場面で活用することが出来ます。
様々な場所で活用できる無水エタノールですが、使用するにあたり注意しなければならないポイントがありますのでお伝えします。
無水エタノールを使うときの注意点 4選
火気厳禁
成分のほとんどがアルコールであり、引火性が極めて高いため、絶対に周囲で火を使ってはいけません。ガス機器や電化製品などを掃除した際は、確実に無水エタノールが揮発したのを確認してから使用してください。
換気する
揮発した際に強烈なアルコール臭を発するため、使用する場合は換気しながら作業を行って下さい。
肌荒れに注意
強力な脱脂効果があるため、それを使う人間の手指の油分も無くなってしまいます。肌が弱い人の場合、肌荒れになってしまう可能性があるため、使い捨てのビニール手袋などを使用してください。
使えない素材がある
無水エタノールはその強力な洗浄力のため、本革製品や合皮製品、コーティング仕上げされている家具などに使ってしまうと、変色などのダメージが残ってしまう場合があります。
今回は大家目線で解説してきました。日常生活で活用することを考えれば、実際にはさらにもっと多くのメリット・デメリットが存在していますので、薬品関連の専門サイトが発信しているメリット・デメリット、使ってはいけない素材についても、併せて調べてみてください。
では、実際に無水エタノールを使ってシール跡をキレイに剥がす実践をしてみたいと思います。
無水エタノールを使ったシール跡の剥がし方
本来は、窓に付着した粘着跡などで実践するのが一番参考になると思うのですが、今回はそのような汚れが無かったため、娘のシール帳に張り付いたシール跡でやってみたいと思います。

この様にキレイに剥がせずに残ってしまったシール跡が、ガラス窓に張り付いていると思って見て下さい。
準備するもの
- 無水エタノール
- コットン(無ければティッシュでもいい)
- プラスチック製のヘラ
- 必要な方は使い捨てビニール手袋やマスク など
※ 作業は火気が無い場所で換気して行ってください。
作業手順
コットンに無水エタノールを含ませる
コットンが湿る程度に無水エタノールを含ませます。

シール跡に無水エタノールをなじませていく
無水エタノールを含ませたコットンをシール跡に押さえつけて、全体になじませていきます。

ヘラでシール跡をこすり取る
無水エタノールをなじませたシール跡を、プラスチック製のヘラでシール帳本体(ガラス窓)に傷が付かないように、優しくこすり取っていきます。

ある程度シール跡を剥がすことが出来れば、少し粘着跡が残ってしまっても大丈夫です。

再度、コットンに無水アルコールを含ませる
残った粘着跡を取り除くため、もう一度コットンに無水エタノールを含ませます。

コットンで、粘着跡をこすり取る
ベタついたシール跡を、エタノールを含ませたコットンで強めにこすり取ります。

後は同じ作業を繰り返せば、キレイにシール跡が無くなり、ベタつきも残りません。



シール帳での実践になってしまいましたが、窓ガラスでも同じ手順でキレイにすることが出来ますので、なかなか取れないような粘着跡がある場合には、ぜひこの無水エタノールを試してみて下さい。
まとめ
今回は、無水エタノールの便利性と、実施に掃除で活用する場合の手順をご紹介させて頂きました。
いくつか取り扱いに関して注意するポイントがありますが、基本的には危険性の低いアイテムなので、大家業だけでなく普段の日常生活の中でも多くの場面で活用することができる無水エタノールを、400mmボトルで十分だと思いますので、1本用意しておいても良いのではないでしょうか。
また他の記事では、DIYで使える様々なアイテムも紹介していますので、大家さんに興味がある方や、DIY好きな方にとって、当ブログが少しでも参考になれば幸いです。
